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現代式の火打石・ファイヤースターターを使いこなす


今回は一風変わった着火法・ファイヤースターターによる焚き火術を紹介させていただきます。

ャンプの醍醐味 
それが焚き火

このブログでいろいろと焚き火術を解説させていただいた。
焚き火の成功、その鉄則は必ず乾いた薪を用意すること。
そして着火の折はまず小枝を焚き、徐々に太い薪へと炎を移していくこと。
薪を平たく敷けば火力が抑えられ、立体的に組めば火力がアップしていくこと。
そんな焚き火、現代では「焚き火台使用」が前提だが、直火も捨てがたいこと。

さてキャンプの醍醐味・焚き火。
最大の快感と言えば、火を起す瞬間ではなかろうか。
手元の種火が炎に変わり、木々の命を受け継いで豊かに育まれていく。
育て上げた炎が、サイトのセンターとして皆を照らし、暖める。

点火の瞬間は、命の誕生のごとく尊い。

摩擦式から打撃式へ 
めんどうな着火法 

古代社会においては「木を擦り合わせ、摩擦熱から点火する」
原始時代をモチーフにした漫画の定番場面、その方法が一般的だった。
古代の大和民族でもアイヌ民族でも、あるいは古代ヨーロッパ、南北アメリカ先住民、果ては北方のイヌイットまで。
体力とコツを要するという意味でも、発火は神聖な作業ともいえよう。
やがて人間が鉄製品を自製するようになれば、「打撃法」というテクニックが考案された。

鉄。
鉄という素材を大きく分ければ、硬くてもろい「硬鉄」と柔らかくて粘りのある「軟鉄」の2種類となる。このうちの「硬鉄」を、チャートや石英など「硬い石」と打ち合わせれば火花が散る。その温度たるや1000度近い。だが火花は儚い。薪や炭に引火させるどころか、一瞬で燃え尽きる。なので、まずは火花を「炭化させた植物の綿毛orボロ布」などの「火口」(ほくち)と呼ばれる素材の上に落とす。静かに微かに燻り始めた火口に、硫黄を塗り付けた「付け木」をあてがい静かに風を送る。こうして、ようやく炎へと育っていく。

いわゆる「火打ち石」による着火法だ。

大切なのは「火打石」と「鉄」を打ち合わせて初めて着火できる、ということ。
火打石同士では、撃ちわせても火花が散るのみで炎にはならない。

そして上記の通り火打石の着火法はけっこう手間がいる。時代劇でタバコや行灯、挙句は「付け火」のシーンを見れば数回打ち合わせるだけで簡単に炎が上がるが、本当に火打石がそんなに便利ならば、いちいちマッチやライターを発明する必要もないのだから。

さてマッチやライターの発明で隅に追いやられ、祈祷の「切り火」がせいぜいの「火打石」。だが昨今ではアウトドアブームに乗り、「現代的火打石」が開発、発売されているのは面白い先祖返り。

今回は「現代的火打石」であるところの「ファイヤースターター」と、その着火法を紹介してみよう。

現代式の火打石 
ファイヤースターター

ファイヤースターター
ウィキペディア英語版でFire strikerを検索すれば、火打石と打ちわせる「火打ち金」がヒットする。直訳すれば「火を始めるもの」だから、これはこれで正しい用法。
だが今回説明するカタカナのファイヤースターターは、古典的火打ち道具のような「石英と硬鉄」ではない。素材はマグネシウムだ。
マグネシウムは軽金属の一種。「金属」ながら「燃焼」しやすい性質があり、加熱さえすれば酸素の一切ない窒素の中にあってすら燃える。そんな性質を十二分に生かした発火具だ。

まずファイヤースターターの表面を軽く削り、削り屑のマグネシウム粉を「燃やすもの」に振りかける。続いて本体を強く擦って火花を散らせる。その火花がマグネシウム粉に落ちれば激しく反応し、対象物が燃え上がる流れだ。

ファイヤースターターの利点
・ライターと違い「燃料切れ」がない。何十回、何千回でも使える
・マッチと異なり、濡らしても全く問題がない 

ファイヤースターターの欠点
・着火には、多少の体力と素早い腕の動きが必要
・ライターやマッチと異なり「初めから」炎にならない

着火の秘訣は 
「怠け者の木」

ファイヤースターターで火を起すのは、一般的な火おこしと同じ。
直火で火を焚くには、まず火災の危険を取り除く。
燃えやすい障害物を取り除いて整地した中に火床をもうけ、乾いた薪を積む。

そして燃料の中から「乾いた小枝」「中くらいの太さの枝」を取り分け、まとめておく。

 

「乾いた杉の枯れ葉」「シュロの皮」など特に燃えやすいもの
これらを火床に軽く積み上げる。

 

そして、ここがポイント。「レイジーウッド」の砕片を振りかける。
レイジーウッドとは、立ち枯れて腐った木の根元から得られる言わば「木の芯」。

生きていた木が立ち枯れる。当然、樹液を吸い上げる作用も失われ、樹液は重力に従って根元部分に下っていくにつれて木の脂肪分が根元に集約される。樹脂には防腐効果があるため、やがて葉や幹が腐れて倒れれば濃縮された樹液部分のみが残るという仕掛けだ。

これこそレイジーウッド。昔の日本で墨汁や松明の原料にされたアカマツの根「肥松」と同じものだ。

樹液の塊だから、着火効果はバツグン。そもそも「レイジーウッド」とは、「怠け者の木」の意。着火が簡単すぎて怠け者になる、という命名回路は「なるほど!」と直感できるがあんまりなセンス。

それでは、着火へ。
シュロの毛や杉枯れ葉をまとめて火床に据え、
件のレイジーウッドを削って振りかける。

 

そして、例のファイヤースターターでマグネシウムの砕片を振りかけ、ノコギリの背で摺って火花を散らせ一発着火。

あとは燃焼を妨げないタイミングで小枝から薪へと炎を移していく。

自然素材がそのまま着火剤になる、ファイヤースターター着火。
火花が炎へと生まれ変わる、美しい営み。

サイトの神聖な炎は、「現代の火打ち石」で招こう。

本文:角田陽一
撮影:中里慎一郎
協力:田中拓哉、奈良本洋二、長谷裕介

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