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手入れが行き届かない山林を楽しく再生する それが「開拓キャンプ」


開拓キャンプ,ユギムラ牧場
写真提供:ユギムラ牧場

東京都八王子市の 
開発から守られた里山

背後に山林
前に田畑
その間に挟まれる形で集落が営まれる…

近代化以前の農村としては理想的な立地条件である。
背後の山林は集落を季節風から守り、同時に豊富な燃料と腐葉土を提供する。山に降る雨は地に染み渡って山麓に湧き、村を、田畑を潤す。
山村なら森林資源は豊富でも耕せる平地がない。
平地の真ん中であれば広大な耕地が得られるが、収穫物を煮炊きする薪の確保に手間取る。だからこそ冒頭の立地条件は理想的である。

東京都 八王子市・堀之内

戦後の高度経済成長期の大都市周辺農村の運命にもれず、当地も宅地開発の波が押し寄せた。京王線の駅を降り北へ向かえば、マンションにショッピングセンター、広い2車線道路の両側には画一的な建売住宅が規則的に居並ぶ。
だがスーパーマーケットの角を抜けさらに北西を目指せば風景は
「背後に山林」
「前に田畑」
「その間に集落」
…理想的な地勢の農村風景へと移り変わる。

地権者らの努力で維持された日本の農村風景、農道をそのまま舗装したような、2車線に届かない田舎道。
そんな一角に「ユギムラ牧場」がある。

 開拓キャンプ,ユギムラ牧場

農村のマルチスペースよみがえる 
かつての農園と牛舎

公式サイトはこちら

「ユギムラ」の名は、かつてこの地域の行政区分であった「柚木村」に由来。
明治以降、この地で酪農を営んできた牧場である。

紹介動画はこちら

開拓キャンプ,ユギムラ牧場

昭和中期の高度経済成長期に、ここ柚木村地区も開発の波にもまれつつあった。
しかし地域の農家が主体となった運動体「ユギファーマーズクラブ」による率先的な活動により開発は阻止され、「都市と農村の共生」をめざした「農ある街作り」が構築されていった。

西を望めばモノトーンの建売り住宅街。
東に視線を転じれば、道沿いに村落、背後に山林を背負った日本古来の集落。
そのはざまの農園。

開拓キャンプ,ユギムラ牧場

現在では、農業と養蜂業を営む農業法人「株式会社アンドファームユギ」が起業され「一般社団法人 畑会」の運営による「ユギムラ体験農園(農園主:鈴木亨)」や、市民活動から発展した「一般社団法人 八王子協同エネルギー」による太陽光パネルの自家発電の活動と、里山の材を使って木工品を作っている「ハチノワ」、そして「社会福祉法人 由木かたくりの会」や「認定 NPO 法人やまぼうし」の福祉分野での農業活動(農福連携)といった様々な主体が集まり多様な取り組みが行われている。

開拓キャンプ,ユギムラ牧場

木組みが美しいかつての牛舎は、現在では牧場所有の畑で育まれた作物の乾燥室。
さらに新型コロナウイルス流行以前は農業体験スペースとしても使われており、農業や里山管理、養蜂の体験、また農作業を通じた婚活イベント等も実施され、都市部や関東近県から多くの人が訪れている。

開拓キャンプ,ユギムラ牧場,ピザ窯

屋外には「東大生が1日で設計&完成させた!」というピザ窯。
広葉樹の薪が生み出す芳醇な熱を受け止めて、カリカリに焼けたピザを提供してくれる。

開拓キャンプ,ユギムラ牧場,ハチノワ

牧場併設の工房。
若手の造形集団「ハチノワ」がここを舞台に、ナイフ作りや木工に勤しむ。

畑、牛舎が都市近郊農業&レクレーション施設として有効活用されているユギムラ牧場。
だが牧場所有の山林はこまめに手入れする事が難しかった。

手入れが行き届かない山林を楽しく整備 
それが「開拓キャンプ」

この地に村落が拓かれた時代より、住民の住まいの建材と日々の煮炊きの薪を提供してくれた山林。しかし昭和中期以降は灯油にガス、あるいは家電の普及により「重くて手間がかかる」「煙くて火事の恐れもある」薪や炭はすっかり忘れ去られてしまった。
薪で煮炊きしていた時代ならば、村民が薪を伐り出すことで老木が取り除かれ林床に日光が差し込み、若木が伸びる。森は自然と世代交代していく。

だが、手入れが行き届かなくなった森…老木はそのままさらに年老いていく。林床には雑多な木々が野放図に茂り荒れ放題。こんな森を整備しなおす…
業者にたのめば、とんでもないギャラが要求されるだろう。だが自分で木を伐り出すには人手もない。

そんな悩みを解決すべく立ち上げられたイベントが「開拓キャンプ」である。

開拓キャンプ,ユギムラ牧場

開拓キャンプ
森に分け入り、余計な樹木を伐開し、自分で「サイト」を整える。
伐採作業にチェンソーや草刈り機のような「文明の利器」はもってのほか。
斧や鋸などの「手仕事の道具」が鉄則。

開拓キャンプ,ユギムラ牧場,伐採

一夜の宿・サイト。
持参の小型テントやハンモックでもいいが、自分のセンスで「シェルター」が整えられれば最高。もちろん素材は、自分たちで伐り出した周辺の雑木や竹だ。
円錐形のティピにするか、片流れの小屋か、
あるいは簡易ベッドか。
個人個人の造形美が競われるイベントでもある。

開拓キャンプ,ユギムラ牧場,簡易ベッド

日が傾けばもちろんキャンプのメインイベント、ディナー。
だが、調理に文明の利器「バーナー」なんてもってのほか。当然ながらもってのほか。
焚き火…、それも大地を掘り込んで生木で火床を築き、薪を据える。開拓作業の合間に摘み取った棕櫚の樹皮、あるいは杉の枯れ葉に振りかけて迎えた「神聖な炎」にて調理される。

開拓キャンプ,ユギムラ牧場,キャンプ飯

開拓キャンプ,ユギムラ牧場,キャンプ飯

焚き火はサイトのセンター。トロトロと揺らめき仲間を照らし、夏は煙を吐いて害虫の侵入を妨げ、冬場はこわばる手足を遠火で温めてくれる。

開拓キャンプ,ユギムラ牧場

夜が明ければ熾火を掻き起して夜明けのコーヒーを淹れ、朝食後に改めて開拓作業に勤しむ。

2019年夏に開始された「開拓キャンプ」。
メンバー数は5人から8人で一泊。
月に一回のペースで執り行われてきた。
コナラ主体の森に侵入していたヒサカキなどの雑木は手際よく取り除かれ、林床に差し込んだ陽光で大地は温められる。
こぼれ落ちたドングリは森陰に負けることなく、日光を浴びて次世代の森を育んでいく。

開拓キャンプ,ユギムラ牧場

次回以降は、ユギムラ牧場・そして山林を舞台に「アウトドアに役立つグッズ」のメイキングに勤しむ若手アーティストの活動を伝えたい。

開拓キャンプ,ユギムラ牧場,ハチノワ

撮影:中里慎一郎、奈良本洋二
動画作成:アンドファームユギ
本文:角田陽一
協力:田中拓也、奈良本洋二、長谷裕介

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